自然体で味わう、近所のオスロ。
渋谷区富ヶ谷の一角に店を構える小さなカフェ、Fuglen Tokyo。 どこかノスタルジックな民家をリノベーションした空間の中は、 日本とは思えない、独特の空気と豊かな時間で満たされていた。

オスロのライフスタイルを気軽に楽しむ。

「この店は、初の海外進出オスロにある1号店のデザインを忠実に踏襲してつくったんですよ」。そう語るのはFuglen Tokyoの代表を務める小島さん。このFuglen Tokyoだけでなく、数々の話題の店舗を手がけるカフェ・プロデューサーとしても活躍中の人物だ。オスロといえば北欧・ノルウェーの首都。質の高い豆が大量に集まり、ハイレベルなバリスタやロースターを数多く輩出する“世界最高水準のコーヒー都市”として注目を集めている。Fuglenは、そんなオスロで長年にわたって愛され続けてきた老舗カフェだ。当然、求められるクオリティは高い。

「インテリアも、空間づくりも、コーヒー豆の焙煎や抽出も、全てに対して追求を惜しむことはありません。でも、それは“オスロでの当たり前”を再現しただけ。オスロの人たちは、自分たちの街の凄さなんて知らないし、気にもしていない。だから、“近所の喫茶店”と同じ感覚で、普通に楽しんでもらえたらそれでいいんです」。と、小島さんは微笑む。

実際、店内を見渡してみると、その空気感はどこまでもやわらかい。ソファに身を沈めて本を読む人、カウンターでバリスタと軽い会話を楽しむ人、持ち込んだサンドイッチをほおばりながらカップを傾ける人……そこにいる人々は皆、自然体でFuglen Tokyoのコーヒーと空間を味わっていることが伝わってきた。

 

店内にはノルウェーから直接買い付けたデザインアイテムがディスプレイされる。ほとんどのものはその場で購入が可能だ。

ノルウェーのビンテージデザインがつくる空気感。

家具や食器が買えるカフェ。

Fuglen Tokyoの店内に入ると、どこか異国の街のカフェに迷い込んでしまったかのような感覚がある。それは、インテリアや家具、それに、音楽などの力が大きい。店内にはノルウェー生まれの食器やインテリアをディスプレイし、家具も全てノルウェーのヴィンテージアイテムで統一。BGMまでもがノルウェーのアナログレコード。これらの演出も全てオスロ流だという。

「値札が付いているものは全て購入できる商品です。ノルウェーでもあまり見ることのできない希少価値の高いアイテムをセレクトしているんですよ。コーヒーを飲みに来たお客様がテーブルをお買い上げになったりすることもありますね」とのこと。実際に使いながら、気に入ったアイテムを買える、そんなインテリアショップとしての側面も持っており、ノルウェーデザインを愛するファンからも一目置かれている。

オスロの味を表現するために選んだ、日本の道具。

豆の味を重視した浅煎りコーヒーの味わい。

Fuglenのコーヒーは、果実のそれに近い爽やかで飲みやすいフレーバーが特徴。「Fuglenはコーヒー豆の味をメインにした表現を目指しています。だから基本的に浅煎りで、豆の個性を引き出すようにしているんです」と、小島さん。“コーヒー”に対するイメージの垣根を軽やかに跳び越えて、素直に“美味しい”と感じられる。そんな味わいと出会えるのも、Fuglenの魅力だろう。

Fuglenが愛用する、メイドインジャパン。

全てに対して“オスロ流”を貫くFuglen Tokyo。その中で、ただ1つ、メイドインジャパンのデザインが用いられている。それがKalitaのプロダクトたちだ。「Fuglenの経営陣が日本に訪れたとき、Kalitaのアイテムを見て、“これをオスロで使いたい”と、一目惚れしたんですよ」と、Kalitaとの出会いを振り返る小島さん。

「店内の雰囲気によく合うデザインも魅力的ですが、私自身は機能性にも注目しました。特に『ウェーブフィルター』は、まんべんなくお湯が回り、常に安定した味が出せるんです。これが、“豆の味”を重視するFuglenにはぴったり。淹れ方がブレないから、豆の個性がきちんと引き出せるんです。使いやすいので、豆を買うお客様にもおすすめしていますよ」とのこと。現在、『ウェーブフィルター』は、ノルウェーのFuglenでも愛用される定番になっているという。

 

Fuglenで販売されているKalitaのプロダクト。取り扱いはウェーブフィルターやウェーブポット、
ウェーブドリッパーなど、いわゆる『ウェーブシリーズ』が中心となっている。

主役はコーヒーではなく、そこにある豊かな時間。

多彩な顔。多彩な時間。多彩な楽しみ方。

また、『Fuglen Tokyo』には、カフェ以外にもさまざまな顔がある。「夜はカクテルバーとして営業しています。バーはバーで専門のスタッフがいて、シロップも全て自家製。新作が出る度に開かれる“ローンチパーティー”というお披露目イベントは毎回盛況です」とのこと。

さらに、コーヒーの魅力やノルウェー文化を楽しむイベントも数多く企画・開催している。「“パブリック・カッピング”と呼ばれるコーヒーのテイスティング会や、ノルウェーのミュージシャンを招いたライブなども人気ですね」。コーヒーを軸としながらも、こうした豊かな時間を提供する。この点もFuglen Tokyoの大きな特色だ。

 

Fuglen Tokyo代表の小島賢治氏さん。話題のカフェを数多く仕掛けるプロデューサーとしても活躍中。

ノルウェーの文化の発信地。あるいは近所のカフェとして。

「コーヒーもインテリアもイベントも、全部“きっかけ”でいいんです。あくまでも“近所の喫茶店”として親しみながら、ノルウェーのライフスタイルや文化を感じ、楽しんでいただければ嬉しいです」。そう話す小島さん自身も、コーヒー修行のためにオスロで暮らした経験を持つ。

「日本にいながらにして、ノルウェーの空気を感じるには最高の空間だと思いますよ」と、笑顔で語る小島さん。“オスロの普通”を、気軽に楽しむカフェ……Fuglen Tokyo。立ち寄る際は、理屈やウンチクを忘れ、肩の力を抜いて、自然体で楽しむことをおすすめしたい。そうすれにきっと、より豊かな時間が味わえるはずだ。

Products
Fuglen&Kalitaで見つけたKalita製品
ウェーブポット1ℓ
Wave Pot 1L
ウェーブドリッパー185
Wav Dripper 185
Shop Information
Fuglen&Kalita
Shop
営業時間
Daylife:
Mon-Fri: 08:00-19:00
Sat-Sun: 09:00-19:00
Nightlife:
Wed-Thu: 19:00-01:00
Fri-Sat: 19:00-02:00
Sun: 19:00-00:00
住所
1-16-11 Tomigaya
Shibuya-ku, Tokyo Japan
HP
http://www.fuglen.com/japanese/
最近更新された記事

シーンから探す