最近、“上質な暮らし”という言葉をよく耳にする。それは決して“高くていいもの”を揃えるのではなく、“自分がいいと思ったモノ・コト”を選ぶというニュアンスがある。そう、“上質”の本質は、“心が豊かになる”ということ。
大阪に本社を構える株式会社アーバンリサーチが2003年にオープンした『URBAN RESEARCH DOORS』は、 まさにそんな時代に応えるセレクトショップだ。その『URBAN RESEARCH DOORS』が、 Kalitaと2015年11月にコラボレーションした限定・先行販売のプロダクトが今、話題を呼んでいる。
今回はこの企画に携わった『URBAN RESEARCH DOORS』の女性スタッフ3人に、“上質な暮らし”と“豊かなコーヒーライフ”について語ってもらった。
オープンしたての渋谷モディ店(左上)にて。写真は、プレスの池上明花さん(右上)、
雑貨バイヤーの石田麻由美さん(左下)、ブランド販促の平山記子さん。
まずは、コーヒーとの思い出について聞いてみた。「はじめてコーヒーを飲んだのは中学生のころ。 “小学校の給食で出ていたコーヒー牛乳は飲めるんだから大丈夫だよね”って思っていました。そして誕生日の夜、ケーキと一緒にコーヒーを飲んでみたんです。 そうしたらびっくり。全く甘くないんですよね。少しショックでした…」と苦笑する、池上さん。
続けて石田さんも、想いを巡らせながら話してくれた。「私もそんな感じ! 確かケーキのあるシーンだったかな。 “コーヒー”“紅茶”“ジュース”の選択肢がある中で、思い切って“コーヒー”を選んでみたのが最初でした。とは言え、全然飲めませんでしたけどね…」。
平山さんのエピソードはこうだ。「高校受験に向けて夜遅くまで勉強しているとき、母に淹れてもらったのが初コーヒーでした。 誤解を恐れずに言うと、苦くて、美味しくなかったですね…次からミルクをたっぷり入れて飲んでいましたよ。“あぁ、大人の味ってこういうことか”と…」。 この言葉に大きく頷く、池上さんと石田さん。
コーヒーは思春期の少年少女にとって“大人への階段”。背伸びしないと手の届かない“大人のための飲み物”だったようだ。
URBAN RESEARCH DOORSでは、メンズ・レディス・キッズのアパレルだけでなく、
食品やキッチン雑貨、インテリアなど、多彩なアイテムが並んでいる。
素材そのままの味が楽しめる無添加ジャム、香川県高松市のミニ盆栽など、
取り扱いアイテムのジャンルもさまざま。
思春期の彼女たちを憧れさせ、困惑させたコーヒーとはその後、どのように距離を縮めていったのだろうか。
「高校生になって、カフェ・モカやカフェ・オ・レを飲みはじめたころでしょうか。 苦くないコーヒーに出会ってから、コーヒーに対するハードルが下がったような気がします」と、石田さん。
「コーヒーと言えば、家でゆっくり飲むのではなく、カフェで友だちと話しながら楽しむ飲み物でしたね」と、池上さんも楽しそうに話す。 「カフェのメニューにある甘めのフレーバーも大好きですが、家で飲むブラックコーヒーが自分に合ってきたというか。 これが“大人になる”ってことなのかと思ったことはありますね」。
ふたりの話を聞き終えた後、平山さんはこう語った。「バリスタが時間をかけて、丁寧にコーヒーを淹れている姿って素敵ですよね。 私の母も毎朝豆を挽いて、ハンドドリップを楽しんでいるタイプなんです。当時は、部屋いっぱいに広がったコーヒーの香りが、私の目覚ましでした。 今でもコーヒーの香りがすると、姿勢を正してしまいますもん」。
一杯のコーヒーがいつの間にか、彼女たちが大人になるためのスイッチを入れていた。そんなファンタジーさえ感じるような物語がそこにはあった。
オリジナルブランド『DOORS LIVING PRODUCTS』から発売中の大谷焼の食器、
ちょっぴりビターな大人のコーヒーキャンディーも店頭に。
革のやわらかな風合いと丸みのあるフォルムが印象的な『REN』のバッグなど、
毎日の暮らしに寄りそうシンプルで愛されるデザインのアパレルも多数ご用意。
月日を重ね、コーヒーフリークになっていた彼女たち。年齢と共にコーヒーの楽しみ方も変わっていったという。
「一人暮らしをはじめて以来ずっと、毎朝豆を挽いて、淹れていますね。もう日課になっちゃいました」と、石田さん。 「特別な豆を使うんじゃなく、買い物しているときに見つけた美味しそうな豆を買っては、じっくり飲んでいますね。特に濃いめが好きです」。
池上さんも続けて話す。「出社する前に飲むことが多く、時間がないときはコーヒーメーカーに頼ってしまいますが、やっぱり味が違いますよね。 自分で淹れた分、美味しく感じる。それがハンドドリップの魅力だと思います」。
「私は、好きなスイーツを買ってきたときかな。ちょっと特別な、ご褒美的なときに飲んでいます」と、平山さん。 「特に母が淹れてくれたコーヒーは格別ですね。その味を再現しようと思っても、なかなかできないんですよ。味にも人柄が出るんですよね、きっと」。
ここまで話を聞くと、三者三様のコーヒー観が見えてきた。同じ女性でも、その想いは実に多様だ。 だからこそ、今回のような魅力的なコラボプロダクトが誕生したのかもしれない。
店頭に並ぶ今回のコラボプロダクト。(ミルは従来製品)
「今回のコラボレーションでは、銅メジャーカップ、ジャグ500、ドリップポットスリムとウェーブドリッパー185のそれぞれ銅製・ステンレス製が、別注モデルや先行販売品としてラインナップされている。 シルバーとブラックといった、カラーでバリエーションも大人っぽさを感じさせる展開だ。
「男性好みのカラーリングのように思われますが、実は女性からも人気があるんですよ」と、石田さん。 「お買い求めいただいたお客様の中には、ハンドドリップ未経験の方もいらっしゃいました。 その方が“心からいいと思ったものを選んだ”と話してくれたのは嬉しかったです。 棚にポンと置いていても栄えるので、使わないときはインテリアとしても楽しめそうですね」。
石田さんのコメントに平山さんが続ける。「『Made in TSUBAME』認可のバリューも大きいかも。 金属加工の産地として名高い燕市が認めたプロダクトですから、品質も確かだとわかりますし。 何より、デザインがいいんですよ。バレル仕上げやエンボス加工のドリップポットスリムなんて、ヴィンテージ品みたいですよね。 最近、URBAN RESEARCH DOORSで発売されたオリジナル家具『Bothy(ボジー)』とも相性がいいと思います」。
「感度の高いデザインに仕上がっているので、男らしい“こだわる器具”から、いい意味で“おしゃれに楽しむ器具”にカジュアルダウンしていますよね。 “ハンドドリップは気軽に楽しむものなんだよ”って、このプロダクトたちから教わりました」と、池上さんもにっこり微笑む。 「ウェーブシリーズは淹れるのも簡単なので、ぜひ手に取ってもらいたいですね」。
今回のKalita製品は、関東では渋谷モディ店(東京)、二子玉川ライズ店(東京)、
関西では南船場店(大阪)、グランフロント大阪店(大阪)のみで限定・先行販売中だ。
最後、“上質な暮らしとコーヒーの関係性”について聞いてみた。
「コーヒーはとても幸せな時間をもたらしてくれると思うんです。大切な人と一緒に笑いながら、ときに想いに更けながら、 冷めないうちに美味しくいただく。この積み重ねが、心地いい暮らしにつながっていくんでしょうね」と、池上さん。
「スリムポットの場合はグリップ部分がだんだんと手に馴染んでくるでしょうし、ウェーブドリッパーも、メジャーカップも、深い味わいが出てくるはず。 それくらい“愛でていく”価値のある逸品だと思います」と、石田さん。
「服を買いに来て、コーヒー器具と出会うって、なかなかの衝撃だと思うんです。でも、それが“いい出会い”だと感じて、手に取ってもらえたら嬉しいですね。 自分で淹れて、自分で飲む。そんなライフスタイルがどんどん広まっていけば、きっと幸せだと感じる機会が増えていきますよ」と、平山さん。
コーヒーがあると、暮らしが変わる。大袈裟だが、そんな発見をした瞬間がいくつもあった。 「ちょっといい時間、ちょうどいい時間」。それは、上質な暮らしには欠かせない“大切なエッセンス”なのかもしれない。
コラボプロダクトを囲み、笑顔で語らう3人。
プロフィール
池上 明花
株式会社アーバンリサーチ プレス・マーケティング課 サブチーフ
石田 麻由美
株式会社アーバンリサーチ URBAN RESEARCH DOORS商品グループ 雑貨バイヤー
平山 記子
株式会社アーバンリサーチ 事業本部 第二営業部 URBAN RESEARCH DOORS ブランド販促